能力開発工学のポイント「教育を作るプロセス」

学習の設計をする

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これまでの教育内容、順序は知識体系から作られている
 これまでの教育では、教育内容を編成し、教育の過程を作る方法は知識体系から作りだしています。例えば、かけ算の前に足し算を教えるというのは、数学の学問的系列から来るものです。

どんな行動をするか、経験をするかが重要
 脳科学によれば、脳の神経細胞のつながりが人間の行動を作りだしており、その神経細胞のつながりは行動をすることによりできてくるということがわかってきています
 よって何かができる、わかるということは、知識の体系が問題ではなく、そのひとがどんな行動をするか、どんな経験をするかが重要になるのです。どんな行動、経験をさせるかは、目標とする人間がそれをどのように捉えているか、どのような感覚をもっているか、それをどのような行動、経験で身につけてきたかを調べることでわかるのです。

目標とする行動がどんな要素、どんな関係でできている?
 学習する内容、順序をどのように作るは、目標とする人の行動を分析により、目標とする人間の脳の中の神経細胞のつながりが明確になれば、それをつくることを考えればよいわけです。
 しかし、現在では目標とする人間の神経細胞のつながりがどのようにできているかを生理学的に調べる方法は、見いだされていません。ですから神経細胞のつながりの結果、現れる人間行動の関連を解析することにより、人間行動がどのような要素でできていて、どのような関係になっているか(行動の構造と呼んでいる)を明らかにするという方法をとります。将来、その方法が見いだされることが十分考えられます。

分析の結果は、どんな経験、どんな順序でつませるか
 目標とする人間の行動の要素、関係がわかると、どんな経験がまず必要か、次にどんな経験を加えるかが、はっきりしてきます。こうして、つんでいく経験の内容、順序がきまってきます。分析と設計をすると、名人と呼ばれる人が、長年掛かって経験からつかんだ感覚を、無駄なく短時間で経験をすればよいかが、わかってくると言えます。

学習の設計には、学習者の既存能力(レディネス)を想定
 学習する人間によって、つんでいく経験は異なるので、学習活動は学習者の既存能力(レディネス)により、様々に作られる必要があります。予想される学習者を想定しておくことが設計することになります。

設計の結果は、コースアウトライン
 学習者と想定し、目標が分析された結果、つんでいく経験の流れが作り出されてきますが、それを「学習のコースアウトライン」と呼びます。知識を与える授業の「学習指導案、教案」とはだいぶ違うものです。

ロジェクト、シミュレーション、プログラム、グループを前提
 学習の設計は、プロジェクト、シミュレーション、プログラム、グループを前提として行います。その上で、詳細の学習行動を設計するときに学習対象としての、教材および学習の指示のプログラムをどうするか考えることになります。自主的学習の経験が少ない学習者ほど、詳細な指示が必要ですが、プログラムの形態は、テキスト以外でもさまざまな形が考えらます。

 また、学習者の学習行動を設計するときには、シミュレーション学習、プログラムによる学習、グループによる学習を想定します。また学習の指導をするインストラクターもいることを想定することになります。

学習の設計は、プログラム作成と学習指導に利用する
この学習の設計は、プログラムを作成するで利用する以外に、個人の学習指導、グループの学習指導の時に、学習者、グループに応じた学習をその場その場で臨機応変に作り出す場面でも利用します。

学習の設計のプロセスは詳しい段階がある
 目標の分析から学習の設計までの、詳しい段階があります。

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