増加する高齢者の自動車運転事故を無くすために、シミュレータが使えないか?今年度、私たちは(財)新技術振興渡辺記念会の助成(科学技術調査研究助成)を受けて研究を開始しました。
高齢者の自動車運転事故の原因は、加齢による認知機能や身体能力の低下によるところが大きく、行政はその対策として、70歳以上のドライバーに高齢者講習を義務付け、運転能力を査定し認知機能や身体能力の低下を自覚させて警告し、運転免許の返上を促すなどの対応をしています。しかし、都市部を除く多くの地域で過疎化が進行している今、高齢者にとって自動車の運転は生活手段としてますます重要になりつつあります。これからの社会では、生涯にわたり安全に自動車運転を続ける能力こそ必要になると思われます。
本研究は、現在主として運転適性の査定に使われている「自動車運転シミュレータ」を、高齢ドライバーの認知機能や身体能力の訓練と安全運転技能の維持・向上に有効に利用するための具体的な方法を明らかにするものです。
*関連する研究・研修の実績
「シミュレータによる自動車運転」1972年
「自動車運転指導技術のレベルアップ研修」