「イイクニ(1192)作ろう鎌倉幕府」とか「イヤーロッパ(1868) さん、明治だね」などと、いろいろな意味をつけて年号などを覚える工夫をした経験を誰しも持っているだろう。脳は、単純記憶は苦手で、何の意味もない数や文字の羅列を覚えるのは苦手なのである。
脳の基本的な働き方は、分類してそれを組み合わせるという働き方である。人間は、ごく幼いときは単純記憶が得意であるというが、それは脳学者に言わせれば、得意というよりそういう記憶のしかたしかできないからだという。分類がまだできないのである。成長するにしたがって、脳の働き方はどんどん「分類-組み合わせ」型に移行していく。
脳には、得意なことと不得意なことがある、ということである。教育者は、こういう脳の働きの特質を考えて、教育を行われなければならない。学習者も、学習のしかたを工夫する必要がある。