つぎに示すのは、先輩(A)が後輩(B)を指導している2つの例である。
1年後にどちらの後輩が成長しているかは、言うまでもないことだろう。
【事例1】
A この記事だけどなあ。
B ハイ。
A (写真を示し)これだよ。こんなのしかなかったのか?
B なかなか、いいのがなくて・・・
A 迫力ないんだよな。もっと動きがあるものあったろう。
B (首をかしげる)
A 持って来いよ。写真のファイルだよ。
B ハイ!
A (Bが持ってきたファイルを探して)
これだな。大きく焼いてこの部分だけ使え。
B ハイ!
A それから、ここな。表現がまずいんだよ。
言いたいことがぼやけてるぞ。書き直しといたからな。
B ハイ。
A あとはまあいいだろう。写真できたら、すぐ印刷にまわせよ。
B ハイ。
【事例2】
A なかなかいい出来だよ。
B 本当ですか?
A 100点満点とは行かないけどな。
2ヵ所ばかり気になるところがあるんだ。
B ハイ、どこですか?
A まず、この写真だ。もっと動きがほしいと思わないか?
B ハイ、そう思ったんですが、なかなかいいのが無くて。
A 1枚をそのまま使わなくてもいいんだぞ。
いい部分を拡大して使うとか、2枚組み合わせてもいいんだ。
それでも無いか?
B 写真持ってきます。
これどうですか? ここを拡大するというのでは・・・
A うん、いいじゃないか。じゃあ、これはよし、と。
B ハイ!
A もうひとつは、ここの表現だ。少し印象が弱いな。
結論を先に持ってきて、言葉も少し強い調子にする。
時間がないから、順番を入れ替える程度でやってくれ。
制限時間10分だ。
B ハイ!
(10分後)これでどうでしょうか。
A よーし、まあいいだろう。これで決まりだ。
写真拡大したら、すぐ印刷の方に回してくれ。
B ハイ!
A お前、いいセンスしてるぞ。つぎも頑張れよ。
B ハイ!