第9回研究会 矢口新の活動について全体像を概観する

日時:2008年2月17日(日)正午~4時
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:榊、越川、矢口み、北村、小澤

1.矢口新の研究全体のオーバービュー 
研究計画の確認:科研費申請を土台とする。
 研究テーマ
 「戦後教育改革期における矢口新の教育研究活動および実践活動の今日的意味」
 今回の研究は、戦後教育改革期に限定するため、年代的には1945年頃から国研退職(1965年)までの20年間ぐらいを対象にするが、本日は、その後の能力開発工学センターでの活動まで含めて全貌を概観した。下記のように5期に分けられた。

■第0期(1937~1945)大学卒業~岡部教育研究所 
  ○白井村および東京下町の青少年の実態調査
   <1941~45 軍隊に召集される>
    
■第1期(1946~1953)中央教育研究所~国立教育研究所
  ○川口プラン、三保谷、水海道
   地域の実態調査に基づくカリキュラム策定

■第2期(1953~1959)国立教育研究所
  ○後期中等教育の編成に関する研究
  ○東京日野小、水海道、富山北加積等での授業研究

■第3期(1960~1965)国立教育研究所
  ○プログラム学習の研究、テキスト、TMなどの試作
  ○全国展開(全プロ連、全国大会)

■第4期(1965~1990)プログラム教育研究所、能力開発工学センター
   
2.水海道実践の初期の状況について  
 資料「教育課程の問題点とその探究」(茨城県教育研究所紀要第5集)により検討
  (全文コピー全員に配布、越川氏より内容紹介)

3.研究の進め方についての検討
 3.1 下記①②の調査から始める(関係者が高齢になっており、緊急性がある)
  ① 水海道地域での実践指導
  ② -1富山県総合開発計画
    -2滑川市北加積小学校での実践指導

  ①②分析の、核になる資料
    ○茨城県教育研究所紀要第5集「教育課程の問題点とその探究」
    ○富山総合開発関係 「未来を見つめて」(塩谷敏幸氏追悼誌)
    ○「郷土に築く」(西永良次氏追悼誌)   
    ○富山北加積小「社会科教材研究」
    ○越川論文

 3.2 ①②の経緯を、国研での調査研究や教育史上の出来事と関係付けて整理する
  ○矢口新の研究・実践がどのような態勢で行われていったか
  ○当時の教育研究・行政の方向の中で、どのように位置づいていたか
  を整理する
 
* 当時のカリキュラム論争の中での位置づけ(越川氏の課題)

 3.3 矢口新の研究・実践(①②以外も含めて)がどのように関係しあって展開していったかを整理する

   → 矢口の研究の経緯、著作・資料、教育史上の位置づけ の構造的年表をつくる
        
● 今後の予定
 1.富山県の教育総合開発計画への矢口新の関わり方について
   加賀谷新作氏へのインタビュー
     日時:3月26日(水)午後1時~4時頃
     場所:私学会館(市ヶ谷)
 2.水海道小学校の資料についての調査(継続) 日取り未定
 3.次回研究会:3月23日(日)午後12時~16時