第20回研究会

日 時: 08/8/17(土)   
場 所: 矢口文庫
参加者: 小澤,越川,北村,榊,矢口み (久々の5人出席!)

1.8/7のインタビュー調査の報告と話し合い
 (1) 榊氏撮影のビデオ(注)を見ながら報告(越川,榊,み)。内容については、19回報告参照。
全記録&短縮版を小澤,越川,北村に配布。
 注:4時間余のインタビュー記録を1時間ほどに編集したもの。タイトル,注記入り。

(2) 概略の内容
    第19回研究会記録の報告参照
 
(3) 話し合い
・戦後改革期の教育研究・実践は、多くの場合短期間で終わっている。水海道小が、25年以上の長きにわたり革新的な教育活動が続いた理由は、第2世代の教師が育ったということ。
・4人は第2世代の教師である。直接矢口の指導を受けた第一世代(古谷茂夫,沼口岩男ら)に、矢口の考え方を伝達された。
・また国研の矢口の部下たち(宮崎,元木,山口,最上ら)の指導を受け?研究実践活動を展開した。また、内地留学先の国研では、学力テストの結果の分析など、学習の成立や学習指導の視点ができるような仕事を与えられている。
・その猪瀬体制が長く続いたということがある。猪瀬氏の強いリーダシップと矢口教育(学習)観への心からの共感とがあった。
・教師の勤続年数も長い。(倉持20年,大久保 年,飯沼10年,飯村 年)
    協力して実践活動を行う中で、チームワークができていった。
・教師たちは講義による研修で育ったのではなく、教育の実践活動の中で育った。
    よき上司、よき先輩、そして視野を広げてくれるよき研究者,指導者がいるという環境の中で
    育った。
・自分がやっていることを良い指導者に「それでいいのだ、と言ってもらうことで自信がついていく」という言葉が、印象的だった。

2.今後の活動について
●今回のアンケート&インタビューに関して
<越川>
・今回のアンケート&インタビュー結果を整理し、教師教育学会(9月14,15日、工学院大学)で発表。教師の力量形成には、水海道小のような研究的実践活動が必要という方向で。
   ・論文としてのまとめは、12月までに
<矢口研として>
・インタビュー記録のDVD(短縮版)を先生方に送る。
  ・飯沼氏の研究(レディネス)の記録(保存資料の中に報告されたものがあるか確認)にももう一度光を当てる必要がある。発表した記録があるか、保存資料の中に関係する資料が残っているか飯沼氏に聞くことを含めて、調査する。
・第一世代(沼尻岩夫氏S33転出)へのインタビューも必要。
  ・当時の児童へのインタビュー(長谷川,菊池,新市長・・・)。
・水海道小学校,常総市教育委員会への報告も必要。どういう形で報告するか?

 ●今後の研究の方向について
・単に、矢口の業績を整理するということではなく、現在の教育における問題につながるところを問題にしていく。
「学校再生のための或る教育実践の調査」というような感じで、教師教育のあり方につながる研究にしていかれるとよい。
・来年?開始される教師認定(座学30H+テスト)。30時間の座学で何が育つのか。それに対するテストにどういう意味があるか。それによって、教師の力が認定されるということは
は非常に憂うべき問題。そこへの問題提起になるとよい。

  ●2009年度の科研費申請について
・2008年度の申請却下の理由は研究者として不適切ということ。教育史研究の実績がないことが問題と思われる。研究対象が親族、内輪のものという可能性もあると見るものもいる。いずれにしろ、矢口み,能開メンバーではだめということ。研究内容、計画、費用の配分等については問題なく、全体的評価は敗者復活の可能性のあるAランクだった。(矢口み)                            
    ・立教前田教授の関係で、何とかならないか、アプローチしてみる。(越川)
                                       

3.9月,10月の活動日
     9月23日(火)12:00~ 研究会
    10月 4日(土)13:00~ 作業日
    10月19日(日)12:00~ 研究会

                                        
(記録:矢口み)

カテゴリー: 月例会

第19回研究会 元水海道教師へのインタビュー調査

日 時: 08/8/7(土) 9:30~15:00
場 所: 水海道小学校
出席者: 倉持正,大久保団治,飯沼敦,飯村一男
     越川,榊,矢口み

1.インタビュー方式、記録の取り方
   *アンケートに記入された内容を確認していく中で、4先生の活動の様子と、そこから育った考えを聞いていく。(聞き手:メイン越川,サブ矢口み)
   *インタビュー項目の順番にこだわらず、また、一人ずつ聞くのではなく、座談の雰囲気で、4先生から当時の記憶、当時の思いを引き出すようにする。
*4人に同じ方向に座ってもらい、カメラの方向を大きく移動しなくても良いようにして撮影。音声は、カメラマイクにより記録。

2.インタビュー内容の概要
・一人一人を育てるという目標を、それぞれがしっかりと持っていた。(矢口の指導による)
   ・学習者自身が学習活動をすることによって育つ、行動することを通じて育つという考え方が
    しっかりと身についていることが感じられた。
       矢口新の「水泳」「自転車」の話の例、
教えたつもりでもこどもはできていないという経験の例など
・一人一人が、それぞれのテーマで研究的に授業を展開していた。
飯沼の例:レディネスを揃えれば、プログラム学習による学習時間は殆ど同じになる。
①算数プログラムの内容要素の分析
②子ども一人ひとりのレディネス調査
③レディネスに応じた補習
④プログラム学習の実施
・4人は非常に良い仲間で、協力し合って授業実践を行っていた。
(年齢も近く、同じ時期に海小で比較的長く活動した。) 
・実践→結果の検証→修正→実践 という活動と、良い指導者の存在があって教師が育った。
4人は、第2世代。矢口新からの直接の指導は少ない。
矢口新に直接指導を受けた第一世代(古谷茂夫,沼口岩夫ら)に教えてもらった。
       矢口には、問題の背景にはどういう要素があるかを、教えてもらった。
   直接には、国研の若い研究員たち(宮崎,元木,最上,山口ら)が指導?にあたった。
・4人が教師にとって重要だと考えていること
子どもの状態を読み取ること、引き出すこと。研究的姿勢。 
       良い指導者,仲間,研究的活動の環境があること

* 反省事項
この集まりを電話で確認した倉持氏に、承知していなかった教師が「ない」と返事してしまい、その後、再連絡するということがあったため、インタビューの開始時間は30分以上遅れた。
原因は、教頭が予定表記入ボードにこの会合を記入していなかった (校長にも連絡していなかった) ためであるが、今回は榊氏体調の様子見で学校への連絡が遅くなり、電話のみの連絡で文書による連絡を行わなかったので、情報が徹底しなかったと思われる。
次回以降は、必ず文書も送るようにするよう気をつけたい。(み)
                                    (記録:矢口み)

カテゴリー: 月例会

第18回研究会

日 時: 08/7/20(日)   
場 所: 矢口文庫
参加者: 小澤,越川,みどり (記録:矢口み)

1.4先生へのアンケート依頼と、その反応についての報告(矢口み)

△7/12 4先生にアンケート&インタビュー依頼 (メール便速達にて。越川氏作成のアンケート用紙を同封。)
△7/14~16 アンケート&インタビュー依頼についての先生方の反応確認 
  倉持氏:質問が非常に細かく答えにくい。年代等ははっきりとは覚えていないし、記録していないので、きちんと書けない。私的なことに触れるということも、抵抗感がある。
  飯沼氏:始めは豊岡小学校勤務で、市の研究会に参加程度の外野の存在だった。矢口新が一番精力的に活動した時代に指導を受けていないので、アンケートインタビューの対象としてふさわしくないのではないか。また、教師力量形成について意見をまとめて書く自信がない。一人ひとりのインタビューというのも、気が重い。
  飯沼氏:(手紙で断り状)体調が優れないので、アンケートに答える気力がない。きちんと答える自信がない。
  大久保氏:インタビューには応じる。いつでもOK。

△4人とも全く協力できないということではなく、もう少し答えやすいものであれば引き受けてもよいという感触あり。8月中に時間をとることはできる、インタビューには応じても良いという雰囲気。越川氏に、アンケートを答えやすいものに修正することを、メールにて提案。

●対策の方向
・インタビュー主体の調査に変更し、依頼しなおす。
・アンケートは、履歴を書いてもらうというのではなく、先生方の記憶を呼び起こすための材料になるようなものにする。インタビューしやすくするための材料という位置づけに変更する。

2.アンケートの修正案検討

・先生たちがどのような活動をしたか、その手がかりとなるようなものにする。
 水海道小の教育実践における具体的活動や、記念的ことがらを年表に記述しておき、
 自分の活動が、そのどこに位置づくか、関係をつけて書いてもらうようにする。
・先生たちが、それらの水海道小(または水海道地域)における教育実践活動から得たと実感しているものについて、たずねる。(選択肢)
・先生たちが、自分の教師生活の経験から、教師にとって何が重要だと感じているかをたずねる。(選択肢)
  
●修正案作成:越川23日までにファイル送付→矢口み宛
      再依頼  :矢口み

3.日程の調整について
  4先生,水海道小学校,矢口研メンバーの日程調整
  矢口研希望日:8月5,6,7,9,10日(越川氏都合)
  日程調整担当:矢口み
   (越川氏は、7/24~8/3まで中米旅行なので、4日以降に連絡のこと。)

4.次回
  8月 7日(木) 4先生へのインタビュー(於、水海道小学校)
  8月17日(日) 研究会

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●アンケート修正~実施の経過 

7/23    越川氏よりアンケート修正案送付
7/23~25 アンケート改定作業(水海道小教育実践年表の作成,質問項目の修正)
インタビュー項目の整理修正
(別紙資料 改訂アンケート用紙,インタビュー項目用紙)
7/25    倉持,飯沼,大久保氏へアンケート&インタビューの再依頼。倉持氏には、3人の都合の良い日の調整も依頼。飯村氏には依頼ではなく、報告の形で送る。(いずれもメール便速達にて。アンケート用紙,インタビュー項目用紙同封)
7/29    倉持氏より、メールにてインタビュー日は7日に決定の連絡。同メールにて飯村氏も体調が良いのでアンケート,インタビュー共に応じる旨の連絡があったことを聞く。
7/29深夜  榊氏、胆のう炎のため緊急入院。翌30日昼、胆のう切除の手術受ける。(1週間~10日の入院が必要との説明受ける。)
榊氏退院不可の場合、越川,みどりの2人体制での実施を決定。
8/1     水海道小に日程の連絡、校長,教頭共に外出中。
8/4    飯村氏より、アンケート回答届く。(体調もよく、インタビューにも出席の旨、書状にて連絡あり。)
水海道小に再連絡。鈴木教頭に訪問の趣旨連絡の上、依頼,時間決定(電話)。
        倉持,大久保,飯沼,飯村氏に時間連絡の上、依頼(電話)。
8/5 榊氏退院。7日は、越川、榊、みどりの3人体制で実施と決定。

カテゴリー: 月例会

第17回研究会(作業日)

日 時: 08/7/5 (日)   
場 所: 矢口文庫
参加者: 小澤,矢口み (記録:矢口み)

1.越川氏からの依頼(7/5メール、アンケートファイル添付)

 8月の水海道小訪問のとき、アンケートの回収とインタビューを御願いしたい。 水海道小の倉持さん、飯村さん、飯沼さん、大久保さんの4名の方にはぜひ、インタビューしたい。(教師教育学会で発表)
 7月20日の研究会の前に、訪問日がわかり、アンケート用紙を送付できるといいと思うので、連絡をとってほしい。
 添付のアンケートを事前に送付したい。記入はメモ程度で、できるところを先にやっていただければいいと思う。全員が同じ時刻でそろえば、座談会形式も企画するといいと思う。

2.今夏の活動について

 ○今夏に、水海道小学校の保存資料の撮影を予定していたが、榊氏が椎間板ヘルニアを発症。6月中旬から2週間入院、7/1退院したが、まだ本調子ではなく、2~3時間すわって仕事をすると、その後は20~30分横にならなければならないといった具合。 座る姿勢が腰には一番負担になるということなので、水海道小の資料撮影のような条件での仕事はしばらく無理と、判断。

 ○今夏の計画は、越川さんのアンケート&インタビュー調査と、資料の分類整理(→展示)に絞ることに決定。水海道に連絡を取り、依頼する。
 
3.矢口研の今後の活動についてのフリートーキング

■水海道について
 ○資料の分類・整理して公開
   学校のホームページに乗せる? 歴史の部屋にリンクさせる?
 ○市の広報の活用はできるか?
   「手伝ってくださる方、探しています」
    作業の進行状況の報告
 ○保存資料を使って、学校起こし地域起しの活動が展開できないか
   昔の歌を歌ってみよう
   水海道の昔と今(道,鉄道,校舎などなど)
   後藤新平来校と談話(後藤新平って誰?どういう関係できたのか?どんな話をしたの?)
   先輩たちのつくった新聞を読んでみよう
   みんなのおじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんたちが作った新聞
    ・そのころはどんな学校だったか
    ・何をして遊んでいたか
    ・映画を見てみよう-「はえのいない町」「私たちの学校」
    ・元新聞部と元放送部集まれ→水海道小のブログを作ろう

■富山総合教育計画について-調査・整理するべき内容

 ① 教育計画策定の経緯(加賀谷氏の6冊の本とは?)
 ② ①に基づいてできた産業教育館→理科センター→科学教育センター→総合教育センター八人町小学校=理科センターでの教材作り(明瀬先生の教材作り)
   →田中耕一氏を生んだ?
 ③ 北加積小学校の実践
地域調査→カリキュラム作成→学習プログラムの作成
   荒舘先生の活動
   *注目すべき内容があったら、そこにポイントを絞ってやる?
 ④ 学習の個別化研究会
 ⑤ 富山探究学習
    電気の学習,
    福光コンピュータの学習
    コンピュータリテラシー学習
 ⑥ 富山探究クラブ
    OBの教師たちの活動

★並行して、整理した内容を紹介していく方法を考える必要有り。
      → 学校教育者向け
      → 産業教育界、産業界向け
      → 研究者向け
      → 一般向け?

カテゴリー: 月例会

第16回 研究会

日 時: 08/6/22 (日)   
場 所: 矢口文庫
参加者: 小澤,越川,みどり (記録:矢口み) 【注:榊氏は椎間板ヘルニアのため、入院中】

1.6/14に話し合ったことを、越川氏に報告。
  内容の確認と、活動の方向の了解。

2.越川氏の今夏の計画について
  倉持、飯村、飯沼、大久保の4人の元水海道小教師に、アンケートとインタビュー調査を行いたい。そこから、水海道小学校での教育実践と矢口新の指導が、教師の力量形成にどう関わっているか、を明らかにしたい。
  
    「戦後教育改革期における教師の力量形成
      ― 水海道小学校教師と国立教育研究所矢口新とのかかわり ―」

 調査の結果は、教師教育学会(9月,於、工学院大学)で発表する。
 一同賛同し、資料撮影とかみ合わせて実施する方向で考えることを決定。

カテゴリー: 月例会

第13回 研究会の目標について再検討する

日時:2008年5月18日(水)12:30~17:00
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:小澤、榊、矢口み    
記録:矢口み

1 資料整理作業
  ◆富山総合開発関係資料目録
   水海道「歴史の部屋」資料目録(北村さん入力のもの)の内容確認。
  ◆前回(5/3)数個の未調査の箱の中から、他に、富山関係資料数点発見。
   資料名記録の上、整理引き出しに分類整理。(ファイル入力未)

2 今年1年の目標について

■研究会としての目標をどこに置くか
  ◆科研費が取れなかったということで、逆に縛りがなくなった。
   研究会の目標は、必ずしも論文を書くということでなくてよいのではないか。
  ◆矢口新の仕事の意味を如何に伝えるか、を考えたい。
  ◆資料から実態を読み取り、その意味を解析するとともに、
   矢口新が、関連して残した言葉を探して、それを公開していく。
   論文,学会発表以外の形には、どんなものがあるか、要調査。
  ◆以上を通じて越川氏の論文作成にも支援していく

■当面の仕事
 ①水海道地域での教育改革実践の資料の整理・保存の計画
  ◆資料の撮影
   1日の可能枚数は、多くて2,000枚。
   資料全体は15,000以上あると思われるので、全部撮影するには少なくも1週間かかる。
   重要度判断し、取捨選択してもよいのではないか。
   (取捨選択ができるか26,27の作業で判断する。)
  ◆資料の分類整理→並べ替え
   資料を探しやすくするため下記のような仮分類を試みる。
   第1期 1948~53頃(県教育研究所の報告書の内容と一致する時期)
       地域の課題を解決する学習のカリキュラムを研究・実践した時代
   第2期 1953頃~1960頃
       リアルな学習(方法,教材)を研究・実践した時代
   第3期 1960~1965頃まで
       一人一人を育てる学習を研究・実践した時代。プログラム学習,TM。
   *資料にラベルはつけない。全貌が見えていないので、分類コードを確定できない。

 ②富山 
  ◆基本構想は、第一次総合開発計画書に表れていると考えてよいのではないか。
  ◆中心の作業は、計画書の解析になる?(解析作業をしつつ判断)
  ◆計画書6冊が出てきたので、調査のための富山行きは急がなくてもよいのではないか。
  ◆加賀谷氏所有の資料(富山大関係者の貸し出し中)が、返却された時期を見計らって一回行く。
   その成果をみて、それ以降の計画を立てる。<後日、既に返却されたことが判明>

3 定例作業日の設置

  ◆本日の作業から、資料の下調べや、矢口論文の整理関係付けをしておくと、
   資料分析や話し合いが効率よく進むことを実感。(小澤、榊、みどりの共通意見)
  ◆来月(6月)より、これまでの研究会(毎月1回、日曜)以外に作業日を設けることにする。
   原則として、研究会の前日以外の土曜日(午後)。

《活動予定》
  ◆水海道資料撮影: 5月26日(月),27日(火)
  ◆作  業  日: 6月14日(土) 13:00~
  ◆第13回研究会: 6月22日(日) 12:00~ 

カテゴリー: 月例会

第11回 研究会の1年を総括する 

日時:2008年4月20日(日)正午~午後4時
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:榊、矢口み、越川、北村、白尾(初参加)、小澤

1.科研費申請について
 今年度の申請が却下された旨、矢口(み)から報告あり、対策を協議する。
 ①却下された最大の理由は、実績がないことと思われるので、次回申請に向けて、学会発表、執筆などに取り組む必要がある。
 ②研究費については、とりあえず富山調査の旅費等(50万円ぐらい)の捻出を工夫する。(能開予算から出せるか?)

2.1年の成果を総括する

 ①水海道実践の位置づけがはっきりしたこと、重要資料を発掘したこと、人間関係が出来たこと
 ②富山総合開発教育計画の調査方法がおぼろげに見えてきたこと
 ③矢口教育学を貫く思想の展開と実践の方法が明らかになったこと
 
          [思想の展開]
      海後教育学:科学性・実証性
            ↓
     社会調査に基づくカリキュラム編成
            ↓
         授業の実態の研究
            ↓
    学習の場の構造転換(プログラム学習、CAI)
            ↓
     脳の働きを土台とする学習成立の方法論
  (行動分析手法、学習段階設計方法、学習指導法)
 
        [研究・実践の方法]
        課題ー実態調査ー実践
            ↓
       次の課題-調査・開発ー実践
            ・
            ・
            ・
        <スパイラル状に発展>

3.今後の予定
 
 ①矢口文庫の資料整理 5月3日 正午~午後4時
 ②水海道調査の続き(資料整理と記録)  5月26日、27日(榊、越川、矢口み)
 ③富山調査に備えて関連資料(矢口選集別巻)を読むこと(次回研究会で整理する)

 ④次回研究会:5月18日(日)正午~午後4時 於矢口文庫

カテゴリー: 月例会

第10回 富山総合開発の概要をつかむ

日時:2008年3月23日(日)正午~午後5時
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:榊、矢口、北村、小澤

 本日は、加賀谷新作氏へのインタビューに向けて富山県総合開発計画に関する資料を読み、概要を把握した。

 文献:『郷土に築く―富山県教育計画に捧げた生涯故西永良次先生』
    (故西永良次先生追悼誌編集委員会,1967)
    『未来を見つめて』(塩谷敏幸顕彰会,1987)
    矢口新選集別巻 『地域教育計画とその展開』 →分析作業用として全員に配布
                                         

1.教育の総合計画(第一次)策定の経緯
  ●富山県〈教委〉1950年(S25)末ごろ総合計画に教育計画を入れる必要性が話題に(近藤鋭一教育長中心)
      ↓
   〈県教育研究所〉25年?所長中川 同庶務課長塩谷、
              教育長より使命を受ける 
          *26年度始め 第一次増員(西永,水島,川西,杉森ら)

  「計画策定上の問題点」作成・・・・・・・・矢口、一喝
                       教育の現状分析指示
                       調査要項作成指導
  26年8月ごろ~本格的調査開始・・・・・・矢口、調査結果の分析解釈
  26年度3学期 第一次計画作成・・・・・・まとめは矢口
           (27年3月完成)
          *27年度 第二次増員(鹿間,粟田,国香ら)

  ●北加積小 荒舘實 (教育課程10カ年計画)
        25年2学期~国研へ内地留学

  ●25年?教育長から国研所長村上俊亮に協力打診、26年6月正式要請
        ■村上:審議会委員、矢口:調査員
        (栃木県農業振興総合開発作成指導者、山越の指導受ける)         
   
   ★富山県総合教育計画書(第一次)の内容
   1. 現況編(現状の分析)
   2. 計画編 ①基本計画・・・・・遠い将来を目標としたもの
          ②中間長期計画・・・S35年までの9年間の計画
          ③短期計画・・・・・最初の2ヵ年の計画
          「富山県戦後教育の発展と矢口新」(竹長敏夫執筆)より

2.富山県総合教育計画の中核となる構想
    ● 教育への産業性の付与
    ● 教育サービスセンター
   
  参考資料 富山県教育センターの沿革(矢口新選集別巻 P.87 参照)

●今後の予定
  ①加賀谷新作氏へのインタビュー(3/26、私学会館にて)
  ②文庫所蔵の富山県総合教育計画関係資料の把握(リスト作り)
  ③水海道小の資料調査(継続)
  ④次回研究会:4月20日(日)正午~午後4時 

カテゴリー: 月例会

第9回研究会 矢口新の活動について全体像を概観する

日時:2008年2月17日(日)正午~4時
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:榊、越川、矢口み、北村、小澤

1.矢口新の研究全体のオーバービュー 
研究計画の確認:科研費申請を土台とする。
 研究テーマ
 「戦後教育改革期における矢口新の教育研究活動および実践活動の今日的意味」
 今回の研究は、戦後教育改革期に限定するため、年代的には1945年頃から国研退職(1965年)までの20年間ぐらいを対象にするが、本日は、その後の能力開発工学センターでの活動まで含めて全貌を概観した。下記のように5期に分けられた。

■第0期(1937~1945)大学卒業~岡部教育研究所 
  ○白井村および東京下町の青少年の実態調査
   <1941~45 軍隊に召集される>
    
■第1期(1946~1953)中央教育研究所~国立教育研究所
  ○川口プラン、三保谷、水海道
   地域の実態調査に基づくカリキュラム策定

■第2期(1953~1959)国立教育研究所
  ○後期中等教育の編成に関する研究
  ○東京日野小、水海道、富山北加積等での授業研究

■第3期(1960~1965)国立教育研究所
  ○プログラム学習の研究、テキスト、TMなどの試作
  ○全国展開(全プロ連、全国大会)

■第4期(1965~1990)プログラム教育研究所、能力開発工学センター
   
2.水海道実践の初期の状況について  
 資料「教育課程の問題点とその探究」(茨城県教育研究所紀要第5集)により検討
  (全文コピー全員に配布、越川氏より内容紹介)

3.研究の進め方についての検討
 3.1 下記①②の調査から始める(関係者が高齢になっており、緊急性がある)
  ① 水海道地域での実践指導
  ② -1富山県総合開発計画
    -2滑川市北加積小学校での実践指導

  ①②分析の、核になる資料
    ○茨城県教育研究所紀要第5集「教育課程の問題点とその探究」
    ○富山総合開発関係 「未来を見つめて」(塩谷敏幸氏追悼誌)
    ○「郷土に築く」(西永良次氏追悼誌)   
    ○富山北加積小「社会科教材研究」
    ○越川論文

 3.2 ①②の経緯を、国研での調査研究や教育史上の出来事と関係付けて整理する
  ○矢口新の研究・実践がどのような態勢で行われていったか
  ○当時の教育研究・行政の方向の中で、どのように位置づいていたか
  を整理する
 
* 当時のカリキュラム論争の中での位置づけ(越川氏の課題)

 3.3 矢口新の研究・実践(①②以外も含めて)がどのように関係しあって展開していったかを整理する

   → 矢口の研究の経緯、著作・資料、教育史上の位置づけ の構造的年表をつくる
        
● 今後の予定
 1.富山県の教育総合開発計画への矢口新の関わり方について
   加賀谷新作氏へのインタビュー
     日時:3月26日(水)午後1時~4時頃
     場所:私学会館(市ヶ谷)
 2.水海道小学校の資料についての調査(継続) 日取り未定
 3.次回研究会:3月23日(日)午後12時~16時

カテゴリー: 月例会

第8回研究会 研究計画の具体化方法を検討

日時:2008年1月27日(日)午後1時~5時 
場所:矢口文庫(埼玉県新座市)
出席:矢口みどり、榊、越川、小澤

 まず、セネガルから帰国したばかりで興奮さめやらぬ体の榊氏が、興味深い映像を見せてくれました。ひとしきりセネガル生活の様子を聞いた後で研究会を開始。(セネガル報告については、榊氏がmixiの日記で詳しく紹介しているのでご覧ください。mixiに入会なさりたい方は、榊氏または小澤までご連絡ください。) 

1.研究の進め方について検討
 
 科研費申請研究
 「戦後教育改革期における矢口新の教育研究活動および実践活動の今日的意味」

 本研究では、東京大学卒業(1937年)から国立教育研究所を退所する(1965年)までのほぼ30年間の研究・実践活動を対象として、下記の5項からアプローチする計画であるが、その各項について調査対象、方法等を概観した。

a. 実態調査の方法論を明らかにする
 いくつかの調査についてケーススタディ的アプローチで迫る。
 どの調査をとりあげるかを検討する必要がある。

b. 教育課程策定の方法論を明らかにする
 川口プラン、三保谷村、水海道での実践を解析する(越川論文を核にする)

c. 教育現場における教育改革の方法論を明らかにする
 茨城県水海道市(現常総市)水海道小学校、富山県滑川市北加積小学校での実践を解析する。

d. 地域開発に資する教育計画の考え方及びその実践指導の方法論を明らかにする
 富山県教育総合開発計画の策定過程(聞き取り調査、資料)、計画思想(論文)、計画本文などを解析する

e. 国立教育研究所における教育内容研究の方法論を明らかにする
 国立教育研究所研究紀要、論文などを解析する
 共同研究者からの聞き取りを行う

2.3月までの具体計画

●富山県の教育総合開発計画への矢口新の関わり方について
 加賀谷新作氏にインタビューを行う
 日時:3月26日(水)午後1時~4時
 場所:私学会館(市ヶ谷)       <後日決定>
 
●水海道小学校の資料についての調査(継続)
 日時:3月27日(木)         <検討中>

3.次回研究会:2月17日(日)午後12時~16時
 
以上

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