「失敗」のとらえかた
日本人は、失敗を「挫折」と考えてしまいがちだが、失敗こそ「成功の道につながるプロセス」である。
なぜ失敗をしたかを分析すれば、成功につながる視点が見えてくる。
育てるべきは、失敗を分析する姿勢と、分析する視点である。
何かを考えついてやってみる。うまくいかなかった。
それを失敗と見るのではなく、だめな方法が明らかになったと見る。
考える方向が少し狭まったと見る。
そういう思考の仕方が大事である。
失敗の検証
失敗を生み出した人間行動の分析をしなければ、失敗の克服にはつながらない。
「不注意」「知識がなかった」「経験が不足していた」というような分析では、失敗の克服にはつながらない。それでは、ほとんどの失敗の原因は、同じになってしまうだろう。
なぜ「その不注意」が生まれたのか。不注意を生み出す条件はなかったか。「経験」が生み出すどんな能力が不足していたのか、それを分析しなければならない。
どのような観察・判断が不足していたか。
どのような技術行動が不足していたか。
当事者の勤務条件はどうだったのか。
見極めを難しくする場の条件はなかったか。
行動を確認する習慣,システムは不十分ではなかったか。
言葉で知っているだけでは、行動できない。
「気をつけよう」「失敗しないようにしよう」と思っただけでは、できるようにはならない。
脳は、行動しただけのことができるようになるのである。
失敗を克服するための行動のあり方を明らかにして、行動感覚となるまでの行動力として育てる方策を生み出さなければならない。