看護教育についての基本的考え方

■看護(介護)教育の課題は
 さまざまな患者のさまざまな状態に即して的確に対応できる
 心と技術を兼ね備えた看護(介護)者の育成にあります。

■しかし・・・
 心を育てるということ、
 さまざまな場に即して発揮できる技術力を育てるということ、
 は非常に難しく、斬新で本格的な教育方法が待望されています。

JADECは、これまで長年にわたって「技術を育て、心を育てる学習のあり方」について研究してきました。
その成果が、「脳の行動を育てる」という考え方による新しい教育方法です。
心と技術を「行動」によって一元的に育てる教育方法です。
脳の図
 ◆ 学生が主体的に行動する学習の場をつくる
 ◆ 学習の段階は行動の構造に従って構成する
 ◆ 理論や技術のポイントは、構案教材を活用して探究的に学習する
 ◆ 技術は学習者が自覚的に積み上げる
 ◆ グループによる協同学習とする

この考え方で、これまでさまざまな技術分野について実際に学習方法と教材を開発し、良い評価をいただいてきました。
そうした研究成果を、看護(介護)教育の課題解決のために役立てたいと考えています。

★詳しくは、当サイト[ JADECの学習] [ 脳の働きを土台に学習を考える]
のページをご覧ください。

これまでの研究経過

教材開発の方法に関する研究(1970年代)


  • 東京都衛生局主催の看護教員養成講習会のために、ベッドメーキングなどをモデルとして開発方法の研究を開始。
  • 講習会がキッカケとなって、参加した東京女子医科大学看護短期大学はじめいくつかの看護学校の先生方と教材および指導方法について共同研究を行う。
  • 富山県内の高等学校衛生看護科が文部科学省の研究指定を受けたことに伴い、病院実習等に関する共同研究を行う。
  • プログラムテキスト基礎看護技術シリーズ開発
    (ベッドメーキング,体位変換,寝衣交換,シーツ交換,血圧測定,採血)

学習教材および教育方法についての実践的研究(1990年代)


  • 看護教育専門家との共同により、基礎看護技術のカリキュラムと探求的行動学習のありかたを研究。
      大下静香氏(福島県立医科大看護学部教授)
      大森武子氏(東京女子医科大看護短大教授(当時):現名誉教授)
  • 血圧測定の原理を学ぶための学習シミュレータを開発(特許2704614号)
    (株)坂本モデルから「けつあつくん」として発売


発表論文・図書など

  1. 看護婦の行動能力の形成と行動分析(JADEC研究紀要41号 1979年)
  2. 血圧測定原理学習用シミュレータの開発のねらいとその構成(日本看護研究会学会雑誌Vol 21-3 1998年)
  3. 学生の主体性を読み取る-行動姿勢の視点から(看護教育 Vol 39-6 1998年)
  4. 看護のセンスを育てる(看護教育 Vol 41-1,2 2000年)
  5. 主体的行動力を育成する技術のカリキュラム編成についての研究-基礎看護技術を例にして(JADEC研究紀要71号 2001年)
  6. 仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス(医歯薬出版 2003年)
  7. 仲間とみがく看護技術(医歯薬出版 2010年)
  8. 構造的に技術を学ぶ(JADEC研究レポート2012‐1 2012年)

*3,4,6,7は、大下氏、大森氏と共同執筆